■能楽堂五月「俊成忠度」「宗論」「綾鼓」

*国立能楽堂五月特別公演の下記□3作品を観る。
□能・観世流・俊成忠度■出演:観世喜正,観世淳夫,中森健之介ほか
□狂言・大蔵流・宗論■出演:茂山千五郎,山本泰太郎,松本薫
□能・宝生流・綾鼓■出演:金井雄資,小倉健太郎,工藤和哉ほか
■国立能楽堂,2022.5.28
■現代人にとっても身につまされる内容だ。 ・・「俊成忠度」は評価の不服を唱え、「宗論」は流派争いが延々と続き、そして「綾鼓」は老いて女性問題に悩む。 しかも能では死んでも恨み、老人は女御の胸ぐらをも掴む。 狂言では理性を失っていき、さいごは踊り狂う・・。
見所はシテ忠度が突然の登場場面だろう。 修羅出立ちで面は業平。 これは清々しい、予想が少し外れたが。 ここで囃子と地謡が一斉に唸りだし「前途程遠し、思ひを雁山の夕べの雲に馳す、・・」。 劇的だ。 演劇の醍醐味だろう。