■リゴレット

■作曲:G・ヴェルディ,指揮:ダニエル・ルスティオーニ,演出:バートレット・シャー,出演:クイン・ケルシー,ローザ・フェオラ,ピュートル・ベチャワ他
■東劇,2022.3.18-24(メトロポリタン歌劇場, 2022.1.29収録)
■新演出と聞いて早速映画館へ・・。 背景を特に現代にして上演することの多い作品だが今回は1920年代ドイツらしい。
インタビューで美術・衣装担当が苦労話をしていたけど、でも効果は薄い(ようにみえた)。 客船からヒントを得た公爵館も物語に馴染んでいない。 住居も飲み屋も単純に貧弱だけ。 その三つの建物を取り込めなかった廻り舞台の出来も60点くらい。 退廃的に見えたのはリゴレットの衣装と化粧くらいかな?
リゴレットの二面性の面白さも一幕舞踏会で暴力的とも言えるマントヴァ公爵の乱痴気騒ぎで潰れてしまった。 モンテローネの呪いも言葉だけ。 娘ジルダを誘拐するため住居に押し寄せる大人数の公爵部下、彼女を誘拐したあとの館の部下たちの多さに興醒めね。 歌わない合唱団を登場させる事情はわかるけど。 娘の辱めと父親の惨めさしか残らない。 コロナ禍のため演出家の意図が発揮できなかった?
ところでピュートル・ペチャワは身体も声も肉付いてノッている時期が続いているようね。 演技も歌唱も自信が溢れていた。 ヴェルディ・バリトンのクイン・ケルシー、二度目のローザ・フェオラの父娘はどうにか役を熟したかな。 ヴェローナへ逃げる彼女の男の子姿は似合っていたわよ。 でもカメラのアップが以前より多くなってきたのは目障りだわ。
*METライブビューイング2021シーズン作品
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、シャー  ・・検索結果は6舞台.