■MATOU

■振付・出演:三東瑠璃,音楽:熊地勇太,衣装:稲村朋子
■川崎市アートセンター・アルテリオ小劇場,2021.8.12-13
■舞台に何か置いてあるのが見える。 薄暗いのでよくわからない。 ダンサーの背中だと分かるのに時間がかかってしまった。 姿勢がはっきりするのはもっと時間が必要なの。 白い腕がみえてきて、うつ伏せで腰を持ち上げた姿勢だとわかるのに10分は掛かったかしら?  軟体動物のような柔らかい身体を持っている。 転げまわっても身体部位の繋がりが読めない。 顔は見せない。 立ち上がってもそれは同じ。 後ろに反り返っているからよ。 観客席からみると顎と喉仏しかみえないので異様な歩き姿にみえる。 ・・。
人形のようだが生きた身体を保っている。 舞踏のようで舞踏でない。 パフォーマンスのようでそうではない。 エロチシズムもギリギリで抑えている。 全てが境界線上を保っている。 面白いダンスだわ。
衝撃はある、でも何かが不足している。 終わり方が中途半端なためだと思う。 簡単な方法として、終幕の動きを最初に戻すのはどうかしら? 歩く姿から床に丸く閉じてフェードアウトするの。 ループ構造をつくり作品を完結させる。
アフタトークを聞く。 出席は三東瑠璃と音楽家後藤正文。 使った曲の話が多い。 三東にとって音が身体に<当たる>曲は合わないらしい。 メロディーやビートがあると感情が貼り付いてしまうから。 身体は音楽と非同期に動かしたい。 衣装は今回はじめて黒を使用したとのこと。 見せたくない部分を隠したかったから。 以前の衣装は肌色だったらしい。 このようなトークだったかな。 糊代のある作品とダンサーにみえた。
*追記・・ブログを書いた後に三東瑠璃と石井達朗の対談を読む(2021年7月28日実施)。 この作品は2015年初演で既に6年が経過してるとのこと。 この間、演出的な部分は全て削ぎ落したことを知ったの。 ブログは勘違いしていたようね。