■ニジンスキー

■振付:ジョン・ノイマイヤー,出演:アレクサンドル・リアブコ,カロリーナ・アグロエ,イヴァン・ウルバン他,ハンブルク・バレエ団
■NHK.WEB(ハンブルク国立歌劇場,2017.5.25-27収録)
■先月の「ゴースト・ライト」だけでは物足りなかったので、もう一本ハンブルク・バレエ団を観ることにした。 この2本でノイマイヤーの近況が凡そ見えてきた。
振付家得意のドラマティック・バレエである。 ニジンスキーの妻はもちろん彼の両親や兄妹も登場する。 しかも同性愛者として、これは力の入る作品だろう。 それはニジンスキーとディアギレフの独特な振付に表れている。 二人の愛情表現を含め前半は見応えがあった。 薔薇の精、奴隷、ペトルーシュカは別ダンサーが当時の姿で踊るがニジンスキーの分身のようだ。 また彼の後衛レオニード・マシーンもテニス姿で登場する。
後半に入ると激しく踊る場面が多くなる。 ここで舞台は1919年1月19日のニジンスキーの静養先であるスイスのホテルであることを思い出させる。 前半は彼の回想だったのかもしれない。 そして終幕、妻と踊ったあとに苦しみに悶えながら幕が下りる。
美術と衣装は引き締まっていてドラマを湿らせない。 空気は張り詰めていた。 舞台にピアノを置くのはノイマイヤーの好みかな?  ニジンスキー役のアレクサンドル・リアブコは特に目立つダンサーではなかった。 他ダンサーに埋もれてしまい、ちょっと残念。 
後半の2幕はカメラの動きが激しくなり戸惑ってしまった。 カメラマンが代わったのか? ショットが短すぎる、しかもダンサーのアップが多い。 これで舞台を楽しむ余裕が半減してしまった。 舞台の撮影はどっしり構えて欲しい。
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