■東京ゴッドファーザーズ

■原作:今敏,台本:土屋理敬,演出:藤田俊太郎,出演:松岡昌宏,マキタスポーツ,夏子ほか
■新国立劇場・小劇場,2021.5.12-30
■舞台(パティ)を客席(バンズ)で挟んだ(バーガー)構成です。 床を上下して役者を入退場させたり、天井に沢山のゴミ袋を吊るして看板や広告を写すのも凝っていますね。 ホームレスも新宿で集めてきたのでしょうか!?
主人公ハナ、ギン、ミユキの3人が捨て子の親を、・・新宿、総武線で、錦糸町、タクシーで、月島、自転車で、品川を、探し歩く物語です。 親探しと都市風景を交互に進めていくロードムービーの形を取っている。 途中、彼ら3人の過去がフラッシュバックのごとく現前したり、赤ん坊に小さな奇跡が起こったりする。
それにしても場面間の繋がりが薄いですね。 変わりゆく風景を科白に塗りこめようとしたが上手く融合しなかった? 風景に力を入れ過ぎたのかもしれない。 探し出した両親もトラウマは深いが、彼らも都市に漂うばかりです。 観客側の感度を上げないとアツくならない。 移り行く映画的リズムを崩さず演劇的感動を得るにはどうしたらよいのか?
原作は漫画アニメと聞いています。 早速に観たいですね。 ところでハナは赤ん坊を思いやる複雑な気持ちが上手く表れていて存在感がありました。 新しい家族制度を作れる位置に彼はいたが、でも全てが古いまま幕が下りてしまった。
*NNTT演劇2020/21シーズン作品