■1001

■作・演出:天野天街,劇団:少年王者舘
■新国立劇場.小劇場,2019.5.14-26
■少年王者舘のいつもと違ったリズムが現れていた。 上方漫才のような台詞が長く続き役者の滞在時間が伸びて身体的な躍動感が減ってしまった為だと思う。 多くのことを詰め込み過ぎたようだ。 作者のリキミスギから来ているのだろう。 舞台も広すぎた。 役者が2・3歩で入退場できないので切れ味が鈍い。 でも拘った世界の大きさは表現できていた。
作者が1960年代生だと初めて知った。 づっと40年代生まれと思っていたのだが。 「黄金バット」も60年代に映画で再登場している。 彼は<再登場時代>人として、独自の想像力で時代を遡り創作しているようだ。 そして劇団名の通り少年が王者であることを証明している。
この作品は隅々まで戦後日本の思い入れがみえる。 旧日本軍兵士を登場させ戦争責任を語らせている。 老兵士は自身の責任の裏にある天皇の戦争責任も追及する。 霊話の時代に入って、先ずはこれを論じるのは意義がある。
*NNTTドラマ2018シーズン作品
*劇場、https://www.nntt.jac.go.jp/play/1001/