■恐るべき子供たち

■原作:ジャン.コクトー,上演台本:ノゾエ征爾,演出:白井晃,出演:南沢奈央,柾木玲弥,松岡広大,馬場ふみか他
■神奈川芸術劇場.大スタジオ,2019.5.18-6.2
■雪合戦をみて急にJ・P・メルヴィルの映画を思い出しました。 昔のことなのでストーリーは忘れたが最初の雪合戦シーンだけは覚えていた。
舞台は白の薄布で覆われている。 殆どこの布だけで場面を作っていきます。 恐るべき舞台美術ですね。 美術と同じく役者たちの科白や動きも殆ど修飾を省いている。 この為か物語が進むにつれて硬い感動が積み重なって行きます。 恐るべき感動です。
それにしても姉エリザベートの弟ポールへの独占欲は異常ともいえる。 アガートとポール、エリザベートとジェラールの関係を姉が壊してしまうのですから。 しかしこの欲の姿がみえない。 エリザベートは心のこの部分だけ見せてくれない。 恐るべき演出です。 アガートもジュラールも青春の酸っぱさが伝わってくるというのに。 ・・恐るべき子供の意味が分かりました。 エリザベートは子供の仮面を被っていたのです。
*劇場サイト、https://www.kaat.jp/d/osorubeki