■劇的なるものをめぐってⅡ

■演出:鈴木忠志,出演:白石加代子,小野碩,蔦森晧祐,鈴木両全ほか,劇団:早稲田小劇場
■早稲田大学大隈記念講堂・大講堂,2018.1.15(1970年収録)
■上映プログラムは・・
1.解説 渡辺保(30分)
2.「劇的なるものをめぐってⅡ」上映(60分) 
3.対談 鈴木忠志、渡辺保(90分)
この作品をみるのは初めてである。 稽古を収録したものらしい。 白石加代子の演技に圧倒される。 作品副題に「白石加代子ショウ」と付けられているだけのことはある。 彼女の生舞台は何回か観ている。 いつも凄い役者だと感心していたがこの映像はそれを遥かに超えている。 歴史の中で作られてきた村落共同体のエキスを身体に塗り込んで舞台に立っているようだ。 他役者との違いが際立つ。 渡辺保はこの違いを相対的という言葉で解説していたが質差が大きくて適語とは言えない。 二年前に同じく映像でみた「夏芝居ホワイト・コメディ」(1970年)でも彼女の存在感はみて取れたが全体像までは描けなかった。 前回はフィルム状態も悪かった。 やはり鶴屋南北や泉鏡花の長い台詞を喋りまくることで今回は深層が出現したのかもしれない。
そして「俳優とは一体なにものなのか!?」というチラシの問いが迫って来る。 「演劇の原点の問いかけ・・」と同時に早稲田小劇場の原点に辿り着いたという感慨を持った。
*演劇博物館サイト、https://www.waseda.jp/enpaku/ex/5555/
*「このブログを検索」欄の語句は、 白石加代子