■ジョゼフ・ロージー、四つの名前を持つ男  ■ロマン・ポランスキー、初めての告白  ■映画と恋とウディ・アレン

■出演:ジョゼフ・ロージ,監督:中田秀夫(1998年作)
■出演:ロマン・ポランスキ,監督:R・ブーズロ(2013年作)
■出演:ウディ・アレン,監督:R・B・ウィード(2011年作)表題順
■近くのレンタル店に映画監督を撮ったドキュメンタリ作品が並んでいたので借りてきた。 「ロバート・アルトマン、ハリウッドに最も嫌われそして愛された男」、「トルナトーレ、我が映画人生」を含め5本を選んだが全上映時間が10時間を超えるので、好みでないアルトマンと2作品しか観ていないトルナトーレを外すことにした。
J・ロージ、R・ポランスキ、W・アレンのヒット作品はほぼ全てを観ている。 ロージは赤狩りで英国へ亡命、ポランスキもユダヤ人狩りで逃げ回っていたことが語られる。 聞いてはいたが当時の写真や資料が写し出されるとリアルに迫ってくる。
ロージの監督はなんと「リング」の中田秀夫である。 これは知らなかった。 ロージは既に亡くなっているので家族や知人のインタビュで構成されている。 真面目で淡々とした映像なのは中田が文化庁海外研修員時代の作品だからだろう。 因みにロージを通してハロルド・ピンターを知った。
ポランスキの波乱に満ちた人生には再びの驚きである。 「俺の墓には「戦場のピアニスト」を入れてくれ」。 この言葉が彼の全てを物語っている。 「水の中のナイフ」を観た時の何とも言えない感動は忘れられない。 気に入っている作品は「赤い航路」。
今回一番面白かったのが「映画と恋とウディ・アレン」だ。 200分のドキュメンタリである。 実は「アニーホール」以前のW・アレンを知らない。 コメディアン時代の彼を知ったのは初めてなので嬉しい。 彼が影響を受けた監督の一人がイングマル・ベルイマンというのも驚きである。 でもこれを聞いた時W・アレンの謎が一つ解けた。 「いつか必ず終わる人生」を深く考えるのがベルイマンである。 ベルイマンとは表現方法が違ってもW・アレンの作品にはこの人生への問が感じられる。 直近に観たのは「ブルージャスミン」。 熟成度は十分だが記憶に残らない作品が多くなってきたのは残念。 
映画監督のドキュメンタリなどは正月休みしか観る気が起きない。 でも忘れていたお年玉をもらった気分だ。
*「初めての告白」サイト、http://mermaidfilms.co.jp/rp/