■ミルピエ、パリ・オペラ座に挑んだ男

■監督:T・デメジエール,A・トゥルレ,出演:B・ミルピエ
■Bunkamura・ルシネマ,2016.12.23-(2015年作品)
■バンジャマン・ミルピエの作品「クリア、ラウド、ブライト、フォワード」の作成過程を撮ったドキュメンタリーです。
2014年秋、ミルピエのパリ・オペラ座バレエ監督就任ニュースを覚えています。 でも彼は1年半後に辞任してしまった。 早いクビでしたが映画をみて納得しました。 タイトル副題の通りですが彼は多くを急ぎ過ぎたのではないでしょうか?
ところで、この映画は何が言いたいのかよく分からない。 次々と発生する出来事や問題点を垂れ流しするだけです。 例えば小道具のベンチを作成する話が3回も写し出されるのに途中で消えてしまう。 技術部のストライキがこの作品にどう影響したかもです。 しかも肝心のミルピエの作品に対する説明が一言も登場しない。 彼の断片的な思いだけが時々語られる。
ミルピエのダンサーに対する態度には優しさがある。 でも彼とダンサーの肝心な対話は少ない。 本番直前の「エゴイストになれ!」くらいでしょう。 新チュチュを付けて全員で踊ったら使い物にならない。 試作段階で分かるはずです。 小道具のベンチもそうですがミルピエを含めスタッフ間の調整が下手ですね。 ミルピエは対象への興味差が大きい。 この落差が上層部を不安がらせたのかもしれません。
本番舞台は数場面しか映し出されないのでなんとも言えない。 直前のダンサー達の緊張感は上手く撮れていました。 観客の拍手ではどうにか合格したようだが作品を観ていないのが歯痒いですね。
*作品サイト、http://www.transformer.co.jp/m/millepied/