■こうもり

■作曲:J・シュトラウス2,指揮:A・エシュヴェ,演出:H・ツェドニク,出演:A・エレート,A・ラインプレヒト,H・ラムネク,M・レオンハルツベルガ,村上公太ほか
■新国立劇場・オペラハウス,2015.1.29-2.8
■ダンスや芝居も入ったゴッタ煮の喜劇オペラね。 日本語が沢山入っていたから自由度の大きい作品にみえる。 当時のウィーンでもウケたのが分かる。 ファルケ博士のアイゼンシュタインへの復讐喜劇なの。 登場者の多くが復讐に加担していたことが終幕に語られ和解と共に物語の大団円を向かえる。 この緩やかな構造と男女間の駆け引きを積み重ねて嫌味のない軽やかな作品にしているのは素晴らしい。
日本人歌手も前面に登場していて楽しかったわよ。 重量級に対抗するには太太しくならないとダメね。 これを持ったアルフレードの村上公太は安心して観ていられた。 それとアデーレ役のジェニファ・オローリンは声もカラダも脂が乘り始めて素敵だった。 二人は混沌の舞台を引き締めた名脇役ね。
美術はハリボテのようで繋がりがみえない。 1幕は郊外にある中流住宅、2幕はホテルの宴会場、3幕の刑務所は古い物置のようだわ。 アルフレードが新国立劇場の歌手だと言ったらおカネを恵んでもらう場面もあったけど、これでは舞台に費用は掛けられないわよネ。
*NNTTオペラ2014シーズン作品
*劇場サイト、http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/150129_003713.html