■人形の家

■原作:H・イプセン,演出:鹿島将介,劇団:重力/NOTE
■横浜人形の家・あかいくつ劇場,2015.2.5-7
■「人形の家」で「人形の家」を上演するなんて語呂が良すぎますね。 舞台はフロアスタンドとピアノと椅子そして絨毯が敷かれています。
黒系衣装でゆっくりした歩きや身振りの5人が登場します。 喋り方も変わっています。 「演出への質問」に、身振りが日本的にならないようにするためと書いてあります。 これでテキストを直球で投げ受け止めることができる。 効果は終幕にノーラが家を出ていく場面に表れています。 ここは照明が一層暗くなり言葉だけが舞台に漂っているようでした。 これだと究極はリーディングのほうが良いことになってしまいます。 身振り有ったからこそテキストも生きていたはずです。
舞台はムンクの絵そのものです。 ひょっとしたら描かれた人々もこのような喋り方をしていたのではないのか? そんな雰囲気が伝わって来ました。 舞台の陰が一層深まりました。 イプセンとムンクは表裏の関係かもしれません。
*劇団サイト、http://www.jyuuryoku-note.com/?page_id=1903