■妥協点P

■作・演出:柴田幸男,出演:劇団うりんこ
■こまばアゴラ劇場,2014.8.27-31
高校時代を背景にした舞台は何時観ても楽しいですね。 文化祭だと尚更です。 舞台は演劇部のようです。 生徒の書いた台本が先生と生徒の恋愛ものらしい。 これで先生たちの議論が紛糾し喧々囂々になる話です。
先生同士も生徒も自分の考えを押し通します。 先生同士の議論は白熱化していくが、逆に書いた生徒は押し黙ったままです。 この動と静の差が面白い。 そして何度も台本を書換える場面の飛ばし方も面白い。 物語の芝居と観ている芝居との関係がほんの少しですが混ざるのもいいですね。 同僚の熊楠先生も前生徒と結婚しているのですが、妻の容姿等で結婚生活は妥協の産物である(?)という科白が効いていました。
しかし題名の「妥協点」とは程遠い議論です。 社会でいう妥協点と人生の妥協点の違いかもしれない。 この芝居は前者から後者に移っていきます。 終幕、山縣先生と生徒の関係も話題にのぼります。 最後に生徒が喋る内容を掴み損ねました。 今までのリズムと違うからです。 ここは丁寧に表現して欲しかったですね。 他の観客は理解できたのでしょうか? 芝居が中途半端になった感がします。