■海との対話

■脚本・演出:フランソワ・シャファン,出演:東京演劇集団風,マントゥール劇場
■レパートリーシアターKAZE,2014.8.20-24 
■舞台は数枚の半透明板を下げて前と奥に分かれています。 奥では役者達が出番の準備や演奏など本番の支援をします。
舞台がどこからか?始まりがいつからか?・・混沌としています。 ピータブルックや太陽劇団の影響が有るのかもしれませんが、より徹底しています。 これだけ<ハッキリした混沌>は珍しいでしょう。
三人称単数で呼んでいるモノが脳だとわかったのは少し経ってからです。 精神と物質を分離した科白が多い。 骸骨を持って役者が登場した時、ずっと抱えていたマリオネットの謎が解けた感じがしました。 マリオネットとは二元論の成果です。
そして後半なぜ「海との対話」なのかもわかりました。 人の体の65%は水からできているからです。 人類は海を背負って陸に上った! 人は陸で生活し始めても海は捨てなかったと言うことですね。 そして時間の捉え方も厳しい。
とてもしっかりした二元論で覆われています。 日本人だけで作ったら腑抜けになるでしょう。 西欧の底力が見えた舞台でした。 多分フランスでの上演では観客は盛り上がったでしょうね。 観客への控えめな挑発が何度かあったからです。 この点日本の観客は静か過ぎます。 ともかく騒がしさのある舞台で楽しかったです。
*チラシ、http://stage.corich.jp/img_stage/l/stage45495_1.jpg?1408920165