■インザマッド(ただし太陽の下)

■作・演出:山本卓卓、劇団:範宙遊泳
■こまばアゴラ劇場、2014.8.10-17
http://stage.corich.jp/img_stage/l/stage44702_1.jpg?1408963995
■シンプルな現代美術をみているような舞台です。 照明は原色に近く、床や背景はゴムのように伸び縮みする布を利用しています。 人物の影を効果的に使い何もない舞台に深みを出しています。 役者も全身を動かしながら台詞を喋ります。 対話の相手の言葉が文字になって背景に映し出されるのも携帯文化を取り入れていて面白いですね。
スポーツ試合で日本が負けるところから始まります。 事故で亡くなった選手の妻、そして一組の恋人と歌手との三角関係、この二つが物語の流れです。
スポーツ試合が前面に出ていましたがいつのまにか背後に退き男女間の話が中心になります。 この話は日常的ですが美術と同じシンプルで詩的さがあります。
時々引用の科白?が入りますが「命の残照」?とか難しい言葉なのでこの日常と溶け込みません。 スポーツ試合から終盤の戦争の話へ繋げる流れも抽象的で突飛です。 社会背景と男女間の話が上手くドッキングされていないようにみえました。 でも歌手のポケットの話はシックリ合っていました。
台詞の文字を映し出すことで発生する特有のリズムや舞台を客観視できる面白さが有ります。 しかし文字による限界も見えてくる芝居でした。