■INFANT2

■演出:清水信臣,出演:劇団解体社
■左内坂スタジオ,2014.8.22-9.7
■池田小学校事件や土浦連続殺傷事件が話題にのぼる。 犯人は自ら死刑を望んだとされている。 舞台は6場面に分かれるが連続性は弱い。 途中2場面はアメリカの役者が登場して詩の朗読をする。 残りは刑務所内での出来事などを繋げている。
観ていても事件の何に比重を置いているのかよくわからなかった。 犯人の動機なども語っているが、裁判や死刑制度を論じているようにもみえる。 このため役者のもがき苦しむ理由が定まらない。 科白(言葉)と役者の肉体が一致しないのだ。 宙吊りのまま問い続けているようにみえる。 こういう芝居はシンドイ。 
チラシを見るとベンヤミンの「暴力批判論」が引用されていた。 殺人犯人に正当化を見いだせたら国家と対等になれる。 しかし私的な殺人も国家の殺人も正当化の根拠など無い。 そして国家は殺人の特権を手放したら体を成さない。 台詞と役者とベンヤミンを一生懸命繋ぎ合わせる作業が入る芝居であった。
*チラシ、http://stage.corich.jp/img_stage/l/stage39295_1.jpg?1408920540