■アンドロイド版三人姉妹

■原作:A・チェーホフ,演出:平田オリザ,テクニカルアドバイザ:石黒浩,出演:青年団
吉祥寺シアタ,2012.10.20-11.14
不気味の谷は越えられない。 声に指向性が無い。 ノイマン型CPUでは限界がある。 画期的な技術が出ない限り進められないようだ。 二年前の「さようなら」から状況は変化していない。 オリザはロボットに直接目を向けなくなったようにみえる。
そしてアンドロイドの限界値を芝居に組み込む方法を考えだした。 アンドロイドは嘘はつかない、素直に口に出す、・・とか。 これを利用して物語をオモシロくさせている。 しかしこれはロボット演劇の亜流である。
チラシを読むと寂しさの本質のありかについて書かれていた。 感情を越えてやってくる寂しさはロボットにも可能だ。 当分この線でいくしかない。 残念だが今日の舞台ではこの線も成功していなかったが。
理由は登場人物が多過ぎてアンドロイドが埋もれてしまい寂しさに辿り着けなかったから。 スピルバーグの「AI」に登場する愛情型少年ロボットのデイビッド、「ブレードランナー」のレプリカントのリーダであるバッティに、舞台で出会えるのは遥か先である。