■レヒニッツ-皆殺しの天使-

作:エルフリーデ・イェリネク,演出:ヨッシ・ヴィーラ,出演:ミュンヘン・カンマーシュピーレ
東京芸術劇場・プレイハウス,2012.11.9-10
L・ブニュエルの「皆殺しの天使」にレヒニッツ村事件が関わっていたとは知りませんでした。 ブニュエルは勿論知っていたのですよね? ところで今年のF/Tがやっと見えてきました。 作品の多くに社会の裏側を剥がしていくような力があります。
舞台の5人は意味深なほほ笑みを絶やさず、同じく意味深なセリフを喋りまくります。 同時に下着になったり毛皮コートを着たり、パイやチキン、ケーキを食べたりします。
5人は事件の報告者ですが、物理学の波動か粒子か?の曖昧さを持った観測者のようです。 原作は読んでいませんが人間の歴史が語られた時の曖昧さが上手く表現されている舞台です。 科白の背後を十分に想像できる豊かさを持っていました。
*F/Tフェスティバル・トーキョー2012作品