■百合懐胎す

■出演:吉本大輔、主催:天空揺籃
■東生田会館、2011.12.1-7
■白塗りに赤の口紅、赤のマニキュア、綺羅びやかな黒の衣装と赤のショール、そして赤のローヒール。 これは老いについて踊っているようにみえるわ。 舞台に敷き詰められた枯葉と鉢植えの常用樹林のズレも老人の肉体と意識のズレそのものね。
すぐに服を着てゆっくりと舞台を歩きまわり便器に座って衣服を脱ぎ再び裸で転げまわる。 方向はあるけど空虚な視線、口をパクパクするしぐさ、仰向けに横たわった姿はレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた素描画の老人がそのまま舞台に現れた感じね。
幕が閉じて一言挨拶があったの。 「皆さんが私の年齢になったときこの踊りを思い出してくれたら・・」。 大輔も踊っていて同じことを感じていたのね。 だからガブリエルの抱える百合はこれからも無関心に咲き続けるの。