■沈黙

■原作:遠藤周作,作曲:松村禎三,指揮:下野竜也,演出:宮田慶子,出演:小原啓楼,小森輝彦
■新国立劇場・オペラハウス,2015.6.27-30
■話すように歌うので独特なリズムを醸し出している。 しかも歌唱の合間でも考えさせる時間を観客に与えてくれるの。 松村禎三が作成に時間をかけた理由を感じることができる。
ロドリゴの問いに「日本人に天文学を教えている・・」とフェレイラは的外れな答えをするの? 一度も十字を切らないの? 信徒の呻き声と鼾の間違えが転ぶきっかけになるの? ポルトガル人には踏絵がどう見えていたの? 平凡な疑問が次々と浮かぶ。 それでも感動は湿らない。
ド迫力の十字架と船首甲板のような美術が劇場に負けていなかった。 これが作品に安定感を与えていたのね。 フェレイラは「さまよえるオランダ人」の如く存在感が立現れていた。 ロドリゴもさまよえるポルトガル人の仲間入りね。
*NNTTオペラ2014シーズン作品
*劇場サイト、http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/150627_003708.html