■ルル

■原作:F・ヴェデキント、演出:鐘下辰男、出演:演劇企画集団THE・ガジラ
■下北沢・小劇場B1、2016.6.18-21
http://stage.corich.jp/img_stage/l/stage51996_1.jpg?1434666617
■役者たちの叫ぶような発声で緊張する。 美術や照明もこれに呼応している。 前半の音楽は過剰の見本だ。 エンジンを吹かしっぱなしにしているような舞台だ。 でも緊張感が続かず飽きが来てしまった。 台詞が皆同じように聞こえてきてしまう。 
しかし科白が脳に刻み込まれる場面もある。 例えばルルが殺される終幕10分間がそれだ。 旋律が聞こえたと言ってよい。
硬く熱い舞台だったが、演出家の問い「アウトサイダーは可能か?」は勢いだけではせっかくの問いと答えが舞台上で出会えない。 荒削りの舞台は面白いが全体にメリハリをつけたい。 パッションが熟成する条件でもある。 勿論アウトサイダーにも効く。
「・・この問いはそのまま<演劇>は可能か?に繋がる」とチラシにある。 実はこの文章をみて下北へ行く気になった。 芝居を観る取捨選択手順は略決まっているがこういう文言に弱い。