■ゴミ、都市そして死

■作:R・W・ファスビンダ,演出:千木良悠子,音楽:石橋英子,出演:緒川たまき,若松武史ほか
■世田谷パブリックシアタ,2015.6.25-27
■歌も演奏も生と録音が混ざっているの。 場面間が途切れる為かぎこちない詩をみているような舞台ね。 エロネタも具体的で豊饒さのないドイツ的濃密さを助長している。 かったるいけど精神は冴えている。 この感じがゆっくりと異化効果を持って来るのが肌でわかる。 面白かったわ。
「貧しい娼婦ローマの父ミュラーはナチス党員時代その金持ちユダヤ人の両親を殺していた・・」。 この背景の想像力不足かしら? 娼婦ローマと金持ちユダヤ人の対話に入れなかった。 父ミュラーは「そんなこともあったかもしれない」で終わらせていたけど。 でも三人の役者は好演だったわよ。
「自由の代償」「マリア・ブラウンの結婚」「ベロニカ・フォスのあこがれ」しか見ていない。 でも芝居だとファスビンダの思想が身体を伝わって来るようだわ。
*チラシ、http://stage.corich.jp/img_stage/l/stage51610_1.jpg?1435358442