■箱入り娘

■音楽:B・バルトーク,演出:金森穣,出演:NOISM
■神奈川芸術劇場・大スタジオ,2015.6.22-28
■場内に入ると桃色兎が落ち着いたカメラワークで客席を撮影し緞帳に映写しているの。 兎は上演中もダンサーを撮って舞台上のスクリーンに乗せる役目をしている。
ストーリーは「かかし王子」かしら? 役者のスタイルや衣装の紹介を新潟弁?で紹介する幕開きは劇的さを伴う楽しさがある。
映像を取り入れ絵画的で箱庭のような舞台でのダンスはとても刺激的ね。 ダンサーの機敏な動きがより冴えるからよ。 特にカメラ兎、老魔女、イケ面の振付は面白い。 でも映像の力がどんどん強くなっていくの。 兎の撮影と映写の為ね。 ダンスを見るかスクリーンを見るかの選択を迫られる。 しかしダンスと映像は物語に混じり合って分けられない。 結果ダンスというよりパフォーマンスに近い舞台になってしまった。 ダンスの相対的な希薄性が問題ね。
映像を撮り映すことを強調した作品は初めてかしら? 演出家の総合芸術への飽くなき挑戦は頼もしい。 ところで箱から出たらそこは波打ち際の海岸だった場面は寺山修司を思い出しちゃった。 でもこのような編集映像は方向性が定まらなくなる。 リアルタイムな撮影と映写ならダンス身体へ接近できるけどね。
*劇場サイト、http://www.kaat.jp/d/hm