■ある女

■作・演出:岩井秀人,出演:ハイバイ
■こまばアゴラ劇場,2012.1.18-2.1
■主人公タカコの男遍歴が物語です。 映像が都度上映されて男たちと出会った経緯や思想的背景などを説明します。 そして舞台はタカコと男たちとの性的なストーリーが展開します。
映像は外向けの話で舞台はウチ向けのようです。 脳味噌でいうと映像は前頭連合野で作り、舞台は大脳基底核や間脳に直結する内容です。 しかし舞台が進行してもこの映像と舞台は出会いの経緯以外の繋がりが見えてきません。
セクリ小林との対話は面白かったのですが、セックスはすぐに日常生活に組み込まれ慣れてしまうものです。 ですから鮮度が重要です。 舞台が盛り上がらないのはこの映像との分断、セックスの日常的慢性化が原因です。
これを打破するには映像と舞台つまり連合野と基底核の劇的融合、または第二第三のセクリ小林を登場させるしかありません。 もちろんハイバイとしては前者を選択し劇的感動の舞台を提示すべきでした。
*劇場、http://www.komaba-agora.com/line_up/2012/01/hibye/