■ファウスト

■作曲:C.F.グノー,指揮:Y・N・セガン,演出:D・マッカナフ,出演:J・カウフマン,M・ポプラスカヤ,R・パーペ
■新宿ピカデリー,2012.1.14-20(MET,2011年収録)
■グノーのオペラよ。 場面の切替や物語の進み方は滑らかで終幕まで一気通貫の舞台だったわ。 メフィストフェレス「金の子牛」、ファウスト「この清らかな住まい」など知られている歌は舞台の雰囲気とピタリと一致していたしね。
カウフマンは「よく知っている」とゲーテへの共感を言ってたけどパーペも同じだとおもう。 マッカナフは「オペラもミュージカルも同じだ」の考えが面白さを倍増したのかもしれない。 でも群衆は多過ぎて固まってしまい躍動感が無かったのが残念ね。
カメラの動きは舞台全体を撮影する回数も増えていて「ロデリンダ」よりよくなっていた。 登場人物の多少に係わらず「映画芸術」を前面に出さず記録として撮影して欲しいわね。 もっと舞台を想像したいからよ。
幕開きの広島ドームや原爆研究員の白衣の人物達の煩雑な登場も3.11など昨年の出来事に絡めて印象深かったわ。 ワルブルギスの夜の原爆には驚いたけど。 時代に過敏で賛否はあるかもしれないけどとても面白い演出だった。
*METライブビューイング2011作品
*作品サイト、https://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2011-12/#program_06