■ロデリンダ

■作曲:G.F.ヘンデル,指揮:H・ピケット,演出:S・ワズワース,出演:R・フレミング,A・ショル
■新宿ピカデリ,2012.1.17-13(MET,2011.12.3収録)
■「大劇場には合わない作品だ」と言っているのがわかるわ。 舞台は締りがなくて小道具は過剰だからよ。 映画だからアップが多くてこの欠点が見えにくかっただけ。 でもバロック・オペラって観ていても心が丸くなっていく感じがして素敵ね。
歌詞の繰り返しが多いから歌手のあらゆる面での力量が発揮できるはず。 特にグリモアルドのJ・カイザーは安定感ある職人のようで彼を中心として歌唱が進んでいるようにみえたわ。 後半になるほど演技も冴えてきたしね。
カウンターテナーはヘンデルそしてバロックを飛び越える異形の力があると思っていたけどサプライズ不足だわ。 でも清くて高貴な声質だから怒りや裏切りの歌には似合わない。 終幕に歌う「寛大な心がお前を救った・・」も残念だけどだめね。
ところでシェン・ヤンに「独裁政治が、残酷な行為が王国を保たせる・・・」を歌わせるなんて皮肉かしら。
*METライブビューイング2011年作品
*主催サイト、http://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2011-12/#program_05