■おどくみ

■作:青木豪,演出:宮田慶子
■新国立劇場・小劇場,2011.6.27-7.18
■時は80年代後半ですが畑中家は60年代前半の家族にみえます。 軽井沢でテニスをしたとか皇族の話題も古すぎるし、背景のバブル景気もそのように見えません。 ところで戦後から続いた時代がここ80年代で変化したことも事実です。
この一つとして?天皇に焦点をあて、畑中家の長と重ね合わせて物語は進みます。 息子の天皇暗殺映画も話題に上ります。 でも終幕までになんとなく中庸に納まってしまいます。 次の一歩を躊躇する見えない流れがあります。
変化できたのに全てを引き延ばして現在に至っているのが日本人である。 その原因は天皇制だ、と芝居は言っているようにみえました。 この時期に昭和の終わりはありましたが、しかしここまで皇族を話題にする畑中家やその周辺も特殊な感じがします。 それは構わないのですが、翌日には観たことなど忘れてしまう部類の芝居でした。
*劇場サイト、http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000329_play.html