■ゲヘナにて

■作・演出:松井周,出演:劇団サンプル
■三鷹市芸術文化センター・星のホール,2011.7.1-10
■劇場に入ると、夕焼けのような照明の中に土手のような急斜面の舞台があり資源ゴミがそこらじゅうに散在している。 すぐに作者の頭の中を舞台一面にばら撒いたのだとわかる。 それは物や人、太宰治やニジンスキーの生まれ変わり、母親、恋人・・。
これは男の意識の流れだ。 なぜなら一体化した女神そしてセックスが底流にあるからだ。 そしてモノローグのような雰囲気を持った対話は青年団俳優独特のリアルさから抜けだしている。 というよりリアルさが壊されている感じだ。
このため観ているとシラケが時々襲ってくる。 これを避けるには弛みないリズムが必要だ。 一流の映画のように。 そうすれば新しさのある劇的感動が生まれるに違いない。
*劇場サイト、http://mitaka.jpn.org/ticket/1107010/