■荒野に立つ

■作・演出:長塚圭史,出演:阿佐ヶ谷スパイダーズ
■シアタートラム,2011.7.14-31
■シアタートラムの欠点を隠している舞台構造、そして簡素で素敵な舞台美術ね。 中身はシュルレアリスム映画とカフカの小説を混ぜあわせて現代に持ってきた感じがするの。
個々の場面は事件が浮き出てくるような面白さがあったわ。 抑えの中に時々きついセリフもあったし。 でも芝居の全体にこの良さが伝わっていかない。 ストーリーとの愛想が悪いのよ。 しかも乾いたような無機質さが微かに覆っているような舞台だから。
個別は面白いけど全体はシラケている。 これは現代社会と同じね。 ・・ひょっとしたら最初からこの雰囲気を出そうとしたんじゃないかしら? 現代人が荒野で彷徨っている姿が浮かんでくる芝居だったわ。 だから、荒野に立つ!しかない。
*劇団サイト、http://www.spiders.jp/kouyanitatsu/index.html