■交換

■原作:ポール・クローデル,演出:フランク・ディメック
■こまばアゴラ劇場,2011.4.6-11
■幕が開き、女優レキの劇中劇や資本家トマの登場をふくめて4人の役者が出揃う前半はひさしぶりの感動に出会えました。 役者の身体と言葉がとても生き生きしていたからです。 しかし以後は萎んでいきます。 後半再び盛り上がりますが既に終幕です。
それはルイがインディアンに戻った少しの間だけ、マルトはもちろんですがレキもトマもそれを感じとるからです。 その時のルイは素っ裸ですが筋肉や肌から発する言葉は想像以上のチカラを持っています。 ギリシャ時代のオリンピックもこうだったのでしょう。
マルトは旧ヨーロッパというよりインディアンの血が流れている演技をしました。 これでヨーロッパ対アメリカから旧アメリカ対新アメリカへと比重が傾いてしまい芝居の集点が定まらなくなったように思えます。
そしてインディアンから何故かパリのアフリカ人を思い出してしまいました。 このためか、ギリシャ、アメリカに加えてアフリカ植民地の影のあるフランス的のなんとも言えないテンポのある舞台に浸れました。 しかし2時間半はやはり長く感じた芝居でした。
*劇場サイト、http://www.komaba-agora.com/line_up/2011/04/franck/