■ゴドーを待ちながら

■作:サミュエル・ベケット,演出:森新太郎,出演:橋爪功,石倉三郎
■新国立劇場・小劇場,2011.4.15-5.1
■舞台が長い道になっていて両側に客席がある。 天井の照明も目に入り観客は道端に居て役者と時空を共にする感覚が持てる。 奥行きが有りとても立体感溢れる舞台である。 道幅をもう少し狭くすれば緊張感がもっと出たかもしれない。 ヴラジミールとエストラゴンが作り出す時間の澱みを、ボッゾとラッキーがこれを円環に形作る手助けをする。 交互に来る澱みと流れで時間の輪廻が明確になりゴドーを待ち続ける核心に入っていける。 乾いたような感動のある面白い芝居だった。 ところで少年との対話が生煮えのようだ。 ここで画竜点睛を欠いてしまい惜しい。 四方すべて観客だと発声が大変だとおもうが、エストラゴンの後ろ向きでのセリフに聞き取り難いところがあった。
*チラシ、http://www.nntt.jac.go.jp/play/pdf/20000326.pdf