■能楽堂十月「空腕」「咸陽宮」

*国立能楽堂十月定例公演の□2舞台を観る.
□狂言・大蔵流・空腕■出演:山本泰太郎,山本則孝
□能・喜多流・咸陽宮■出演:塩津哲生,福王和幸,福王知登ほか
■国立能楽堂,2025.10.1
■「空腕(からうで)」は腕力を自慢する太郎冠者が実は臆病だったという話である。 今なら腕力より情報? いや、今も腕力かな。
「咸陽宮(かんようきゅう)」を観るのは初めてだ。 秦の始皇帝と彼を狙う二人の刺客が登場する。 謡の大部分が解説のような舞台だ。 中国を題材とする作品はこの手が多い。 しかも舞が無い。
作品の面白さは3人のダイナミックな動きだろう。 刺客二人が登場した場面から緊迫感が伝わってくる。 さすが刺客だ。 終幕、帝も剣を抜いて闘う。 滅り張りが効いていて能が持つ緊張を維持していた。 いつもと違う面白さがあった。 面は花陽夫人が「万媚(まんび)」待女は「小面」。