■フィデリオ
■作曲:L・V・ベートーヴェン,指揮:スザンナ・マルッキ,演出:ユルゲン・フリム,出演:リーゼ・ダーヴィドセン,デイヴィッド・バット・フィリップ,イン・ファン他
■新宿ピカデリー,2025.4.25-5.1(METメトロポリタン歌劇場,2025.3.15収録)
■入り難い舞台です。 違和感のあるストーリで幕が開き、半煮えのまま幕が下りてしまった。 ベートーヴェン唯一のオペラ作品だが、彼は歌劇が苦手だったのでしょうか?
交響曲に叙唱と歌唱を乗せたような作品です。 しかも両唱の落差が激しい。 叙唱があからさまな現実を持ってくるので歌唱が浮いてしまう。
舞台に入り込めるのはレオノーレの長い独唱からでしょう。 そして二幕に入ってのフロレスタンの一声ですかね。 ロッコ役ルネ・パーペが歌い難いと言っていたが、そのまま聴き難いということです。
やはりベートーヴェンの拘りを意識しました。 当時の自由主義を強く感じさせます。 総裁P・ゲルプの挨拶でも現代政治との関係を話していましたね。 逆に政治が強く出過ぎると固まってしまい面白さが伝わらない。
演出にも問題がありそうです。 METでは25年前から変わっていないらしい。 以前観たカタリーナ・ワーグナー演出の当舞台は好感が持てたからです。 次回METでは新演出で上演して欲しい。
*METライブビューイング2024作品