■アマゾンのフロレンシア

■作曲:ダニエル・カターン,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,演出:メアリー・ジマーマン,出演:アイリーン・ペレス,マッティア・オリヴィエリ,ガブリエラ・レイエス他
■東劇,2024.2.2-8(メトロポリタン歌劇場,2023.12.9収録)
■・・フロレンシアはマナウス公演に出演する為、かつ行方不明の蝶ハンターである恋人を探す為にアマゾンの船旅に出る。 途中、客船エル・ドラード号は嵐で難破するがアマゾネスに助けられる。 しかし目的地はコレラが発生して上陸できない。 そこで彼女は一人ジャングルの奥へ入っていく・・。
旅人たちの人生への倦怠感、愛の行き違いなどなど、日常の些細な淀みが淡々と歌われていくの。 船のように流れゆく演奏で久しぶりに癒されていくのを感じる。 そこに生息する鮮採な魚や鳥、獣が目を楽しませてくれる。 終幕、フロレンシアは恋人が近くにいることを察知する。 「生きていようが死んでいようが、・・あなたを感じる」「あなたが私の歌を聴いているのがわかる・・」。 ・・。
「・・人生を整調してくれる舞台」(演出家インタビュー)の通り、これは<セラピーオペラ>と言ってよい。 フロレンシアが蝶になってジャングルに消えていく姿をみて何とも言えない安らぎが訪れる。 不思議な生と死に挟まれた平凡な日常を肯定できるようになるの。
G・マルケスに触発された作品らしい。 スペイン語オペラは初めてかな? 「・・ラテンアメリカのスパイスが感じられる」(指揮者インタビュー)。 「メキシコ万歳」のもう一つの顔が現れている。
ところで英語字幕が舞台背景に写されていたが観客にとって見易いはず。 この方法は演出家の得意とするところね。 舞台上に字幕を写すのを日本でも流行らせて欲しい。
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、メアリー・ジマーマン ・・検索結果は3舞台.
*METライブビューイング2023シーズン作品