■へそで、嗅ぐ

■演出:山口茜,ドラマトゥルク:ウォルフィー佐野,出演:福角幸子,高杉征司,芦谷康介ほか,劇団:トリコ・A
■こまばアゴラ劇場,2022.8.20-23
■「へそは胎児の口だった・・」。 此の世に生まれる迄はとても大事だったが今では不用になってしまった。 臍はもはや無用の長物なのか?
舞台がお寺とは意味深ですね。 此岸と彼岸の境界のためいろいろな人が集まる。 はたして作務の永山や隣に住む女和江など境界にいるような人が登場します。
そこへ住職の次女一家が寺を引き継ぐことになる。 次女の仕事は仲人業らしい。 俄然物語が騒がしくなる。 寺に居候する和江や永山を結婚させようとする。 結婚は無用を有用にすることです。 「結婚は幸福になることではない!」「結婚は妥協だ!」。 次女の言葉にもそれが表れている。 彼女の夫も結婚観は保守現実的ですね。
もう一人、境界人に加えるのは寺の住人である長女です。 彼女は先天性脳性マヒらしい。 役者として自然体で舞台に馴染んでいました。
結局、次女とその夫はこの寺を出ていくことになる。 寺の住人達は無用から別れさせようとする次女の偽善を見破っていたようです。
この芝居を観る直前に偶々「現代優生学の脅威」という本を読んだが、舞台をみながら思い出してしまいました。 本の感想はTwitterに投稿済。 
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