■ファルスタッフ

指揮:J・レヴァイン,演出:R・カーセン,出演:A・マエストリ,S・ブライズ,A・ミード
新宿ピカデリ,2014.1.11-17(MET,2013.12.14収録)
人間の三欲である酒・食・性すべてが喜劇へ向かっていくベクトルは強力で楽しかったわ。 そして巨漢の肉体が振動し歌手間で共鳴している舞台は素晴らしかった。 指揮者も演出家もヴェルディをこよなく愛している結果ね。
1幕はレストラン、2幕はバー、そして3幕はダイニングのお酒とご馳走で一杯。 千点以上の小道具が歌手を新鮮に修飾していた。 馬まで登場してホッとさせるところはさすがロバート・カーセン。
一転して3幕後半の星空の公園、そして饗宴へと澱みのない流れは言うことなし。 まさにヴェルディの総決算だわ。 「世の中すべて冗談、みな道化・・」がとても効いていたのは最高のファルスタッフということね。 正月疲れが吹き飛んでしまったわ。
*METライブビューイング2013作品