■始まりも終わりもない

監督:伊藤俊也,出演:田中泯
■イメージフォーラム,2013.12.14-
田中泯の肉体はモンスーンの湿気を持っていない。 それは存在のあり方にも影響する。 彼の舞台では存在と非存在が交互に現れる。 観客は彼の身体を意識するが直ぐに忘れる。 そして再び彼の身体を意識する。 湿気が無いので観客の意識に粘りつかない。 しかしそれだけでは説明できない。 彼は時空を伸縮させながら忍び寄って来るのだ。
これは監督伊藤俊也と舞踏家田中泯の二人の人生を重ね合わせている作品にみえる。 女が登場するが母なのかもしれない。 二人の時代は戦争と母親で括られるのだろうか? 舞踏を観る面白さは少ない。 監督の意向が強い作品である。