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■真面目が肝心

■作:オスカー・ワイルド,演出:マックス・ロブスター,出演:シャロン・D・クラーク,チュティ・ガトゥ,ヒュー・スキナー他 ■シネリーブル池袋,2025.4.11-(イギリス,2025収録) ■英国上流階級の一端を覗くことができました、事実とどれだけ違うか分からないが、1895年作のため現代との差異もあるでしょう。 喜劇的困難の後に3組も結婚にこぎつけるハピーエンドな話です。 ストーリーはシェイクスピア風だが、内容はとても諄い。 つまり耽美的・退廃的・懐疑的な要素が日常にギッシリと詰まっているからです。 これがオスカー・ワイルド風なのでしょうか? 主人公はエディ・マーフィに瓜二つです。 まさにワイルド仕立てです。 劇場(映像内)の客席からの笑いが絶えない。 映画館では最初は笑いがあったが少しずつ減ってきた。 たぶんワイルドの毒に当てられた? 新郎新婦の品定めは祖先まで遡る。 もちろん資産状況も調べる。 古い日本でも同じでしょう。 こういう時は伯母が煩いのもです。 結婚に興味がある人なら観て損はない作品です。 結婚の落としどころを提供しているからです。 え!参考にならない? そして真面目とは何を指しているのか?、悩みます。 *NTLナショナル・シアター・ライブ2025作品 *映画com、 https://eiga.com/movie/103255/#google_vignette

■能楽堂四月「重喜」「野守」

*国立能楽堂四月普及公演の□2舞台を観る. □狂言・大蔵流・重喜■出演:山本東次郎,山本則匡,山本則秀ほか □能・喜多流・野守■出演:長島茂,原大,山本則孝ほか ■国立能楽堂,2025.4.12 ■プレトーク「八面玲瓏(はちめんれいろう)、鬼神の鏡」(原田香織)を聴く。 速い流れで解説が進む。 世阿弥はもとより、新古今和歌集や雄略天皇のこと、額田王と光孝天皇の歌、大峰八大金剛童子への展開、等々。 この分野に慣れていないと話についていけない、が刺激的な解説だった。 「重喜(じゅうき)」とは何か? ここでは僧侶になりたての新発意(しんぼち)の名前である。 僧侶の名に多いらしい。 子方である重喜が住持の頭を剃るのでハラハラしてしまう。 地謡も入る。 トークの初めに「教誡律儀(きょうかいりつぎ)」の話があったが、この教えが舞台をより面白くしていた。 「野守(のもり)」は長閑な春日野から鏡を一転させると天上そして地獄界までが出現する。 何度観ても飽きない。 今日のシテは前場の静から後場の動へ、どちらの動きも存在感が出ていた。 橋掛りを歩く姿もぶれていない。 十分に堪能した。 面は「三光尉(さんこうじょう)」から「小癋見(こべしみ)」へ。 *劇場、 https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/nou/2025/7001/

■能楽堂四月「腰祈」「歌占」

*国立能楽堂四月定例公演の□2舞台を観る. □狂言・大蔵流・腰祈■出演:大藏彌右衛門,大藏章照,大藏彌太郎ほか □能・金春流・歌占■出演:山中一馬,島袋元寿,則久英志ほか ■国立能楽堂,2025.4.9 ■「腰祈(こしいのり)」は山伏修行を終えた孫が祖父の曲がった腰を治す話。 孫の法力が効き過ぎてしまった!? 「歌占(うたうら)」は父子再会物語である。 そして伊勢神道の父が地獄へ落ちた時の様子を語り「地獄の曲舞」を舞う。 中世神仏習合の死生観は仏教のため浄土信仰の八大地獄が描かれる。 「世阿弥が嫌った地味な男物狂」を彼の実子・観世十郎元雅が当作品としてまとめ上げたらしい。 当時の仏教的地獄はずっと身近だったはず、でも現代はそれが迫って来ない。 シテ面は「今若(いまわか)」の色白で「・・地獄の苦しみにかやうに白髪となりて候」の髪は金髪にみえる。 現代的なシテの曲舞から地獄は遠い。 また地謡の出番が多い。 難解な謡と舞のため出演者の苦労が感じられる舞台だった。 *劇場、 https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/nou/2025/7000/