■ロックンロール

■作:トム・ストッパード,演出:栗山民也,出演:市村正親,秋山菜津子,武田真治
■世田谷パブリックシアタ,2010.8.3-29
■ロックンロールで塗りつぶされていると思いきや外れてしまいました。 途中休憩をはさみラスト直前まであくびがでる芝居です。 ストーリを長い時間で熟成させそれを最後に開花させる流れを取っています。 上演3時間の最後30分でやっと舞台に集中できました。
プラハ、ケンブリッジ、共産主義そしてロックンロールもテーマの飾りです。 教授と教え子の関係は感動する深みまで到達できていません。 他の登場人物の関係も同じです。
トム・ストッパードは初めてです。 プラハとロックを繋げて共産主義を論じるのはさすがですが、面白さが希薄なのは人物関係に劇力を与えられなかったからでしょ。
そして彼は言葉をこねくりまわし生身の俳優が舞台にいることも忘れているように見えます。 これでは演出家もフォローできないとおもいます。
役者たちは控え目で全体を引き締めていてとても良かったです。 市村正親は舞台で初めて見ましたがセリフで聞き取り難い場面があった。 仲代達矢をゆるくしたような俳優にみえました。
*劇場サイト、https://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/08/post_185.html