■能楽堂一月「翁」「蛭子大黒」「海士」

*国立能楽堂一月定例公演の下記□3舞台を観る.
□素謡・金春流・翁■出演:金春憲和,中村昌弘,本田芳樹ほか
□狂言・大蔵流・蛭子大黒■出演:大藏基誠,大藏彌太郎,善竹忠重ほか
□能・観世流・海士(懐中之舞)■出演:浅見重好,武田智継,殿田謙吉ほか
■国立能楽堂,2025.1.7
■「翁(おきな)」は素謡らしい。 翁と千歳それに地謡が登場する。 「とうどうたらりたらりら、たらりららりららりどう・・」。 まじないのようだが・・?、五穀豊穣・国土安穏を祝う。 次の「蛭子大黒(えびすだいこく)」は蛭子と大黒天が登場し自身の由緒を語り舞い、宝物を人に与える。 どちらも新年に相応しい。
「海士(あま)」は龍宮から宝珠を取り返した海士とその子藤原房前(ふじわらのふささき)の母子再会物語である。 その背景には藤原氏にまつわる伝説がたくさん貼りついている。 加えて法華経の影響がとても強い。 海士である母が宝珠を取り返す場面は躍動感にあふれていた。 房前が法華経を読誦すると龍女となった母は成仏して幕が下りる。 房前が子方のためか母子の絆を一層深めた。 シテ面は「深井」から「泥眼」へ。 バラエティに富んだ3作品で観応え十分だった。 お年玉をもらった気分だ。